古の商用SML処理系MLWorksを動かす
2016年現在SMLの処理系はいくつもありますが、昔はMLWorksという商用の処理系がありました。
MLWorksは開発元のHarlequinが潰れて2000年くらいに姿を消していたのですが、突然2013年にオープンソースになりgithub上に公開されました。
実働していた頃は様々な環境で動作していたようですが、githubに公開当初は想定している動作環境自体が古すぎてビルド自体が困難な状態でした。現在ではellerhさんのおかげでLinux(x86)上でビルド;動作するようになっています。
ちょっとした修正を取り込んでもらってCentOS上での動作が確認できたので紹介します*1。
ちなみにこのHarlequinという会社、90年代後半の時点でMLで仕事してたのに加えてバージョン管理に内製のDVCSを使ったりしてたそうで楽しそうですね。(もう無いけど
ビルド
現在ではLinux上でsmlnjからbootstrapできます*2。
(大抵の人には)面倒な事にビルドにはlibXtとMotifが必要です。
$ git clone https://github.com/ellerh/mlworks.git $ cd mlworks mlworks$ git checkout --track origin/mono-array-slices # commit:75393c4 mlworks$ cd src mlworks/src$ make ARCH=I386 OS=Linux bootstrap
起動
今のところinstallターゲットはありません。
起動するには以下のようにします。
mlworks/src$ XUSERFILESEARCHPATH=app-defaults/MLWorks-mono LD_LIBRARY_PATH=rts/bin/I386/Linux/ rts/bin/I386/Linux/main-g -MLWpass xx -load images/I386/Linux/guib.img xx [-tty]
mainてファイル名はどうかと思う…。
`-tty` をつけて起動するとCUIのREPLが、付けずに起動するとMotifを使った対話環境が起動します。
ttyb.img を直接指定してもターミナル上で起動できます。
mlworks/src$ LD_LIBRARY_PATH=rts/bin/I386/Linux/ rts/bin/I386/Linux/main-g -MLWpass xx -load images/I386/Linux/ttyb.img xx MLWorks 2.1 Professional Edition Copyright (C) 1999 Harlequin Group plc. All rights reserved. MLWorks is a trademark of Harlequin Group plc. MLWorks> print "Hello, MLWorks!\n"; Hello, MLWorks! val it : unit = ()
以上
意外とあっさりREPLが動くので気が向いた人は触ってみましょう。