改訂新版C++ポケットリファレンスレビュー

前回のBoost.勉強会でいただいた 改訂新版C++ポケットリファレンス を一通りさらったのでレビュー(というか紹介)を書いておきます。

どんな本?

この本は、目的から探せる形式でC++の(主に)標準ライブラリを解説した逆引きリファレンスです。
今回私が読んだ第2版(「改訂新版」が付いてる方)では、現在最新の規格であるC++14に対応していて、新たにconstexpr指定が追加された箇所等に解説が加えられています。

各項目には、関連するライブラリのシグネチャと簡単な利用例が完結したコードとして載っていて、もっとも単純な類のユースケースと機能が簡単に把握できます。
コア言語に関連した内容もトピックとしてはだいたい網羅的に紹介されていますので、構文の詳細や特定のライブラリがあることは知っているんだけど、'そら'では出て来ない。といった場合に便利です。

どんな人向け?

古いC++を知っている人、あるいはぼんやりとC++を知っている人が、C++11や14で新たに加えられたライブラリや機能を一通り頭に入れるのに適していると思います。

簡単な使用例が併記されているのも、使い込んでいない機能を手っ取り早く理解するにはポイントが高いところです。
載っているサンプルコード自体も一貫してモダンなスタイルで書かれているので、眺めてみると気付くことがあるかも知れません。


ただし、とっかかりとしてはともかく、この本でC++を勉強しようというのは本書の目的からは外れていると思います。
あくまでリファレンスですので、知っていることを手っ取り早く思い出す記憶の2次キャッシュとして、あるいは目的の機能を実現する手段に辿り着くためのインデックスとしての使い方がオススメです。
本棚ではなく手元に置いておくとよさげ。

その他

ほぼ修正が自明なものばかりではありますが、サンプルコードを中心にいくつか誤植があり、私もいくつか報告しました。
エラッタ著者によるサポートサイト にまとまっているので怪しいと思ったら確認&報告しましょう。


改訂新版 C++ポケットリファレンス

改訂新版 C++ポケットリファレンス